入社1年目で辞めることのデメリット

就職に関する状況は改善傾向にあるとはいえ、依然として新卒の就活生たちは厳しい環境に置かれているのが現状です。
そのため就職をするためにかなり手間と労力、それに時間をかけるのが当然となっており、就活が終わったときにはほっと一安心という気分になります。
しかしそこまでしてなんとか採用を勝ち取ることができた企業求人であっても、実際に勤務をしてみたところ理想とは程遠いような環境であることも珍しくありません。

厚生労働省による新規学卒就職者の状況を見てみると、新卒学生の3年以内の離職率は大卒で32.2%、高卒で40.8%となっています。

よく「最低でも3年は勤めなさい」というアドバイスを聞きますが、3年どころか1年持たずに辞めたいと強烈に思ってしまうこともあるものです。

まず、なぜ「3年は我慢」という説があるかということから説明をしていくと、あまりにも短期で転職をしてしまうと、次の就職活動時に「またすぐ辞められてしまうかも」という懸念を持たれてしまうことがあります。
1年未満で辞めるとなるとかなりの短期なので、次回以降の就活で「我慢ができない」「飽きっぽい」といったマイナスイメージで評価されることになってしまうのです。

また、1回就職をすればもう社会人として扱われますので、次回以降の就職では即戦力になる力が求められます。
ですがどんな仕事でも1年未満では仕事を覚えるということはほとんどできませんので、かなり厳しいハードルが課せられることになってしまうでしょう。

辞める前に退職後に発生するデメリットは頭に入れておくべきと言えますが、もちろんどんな状況でも絶対に辞めないほうがよいということはありません。
社内のことも考え円満退職できるよう対応を進めましょう。
業務の引継ぎには量により1~2ヶ月かかる場合がありますので、上司と退社までのスケジュールを事前に相談しておきましょう。
今後の自分にエールを送ってくれるような退社が望ましいですね。

辞めたくなったときの対処方法

もし就職して間もない時期に辞めたいと考えるようになったなら、その辞めたい理由はどこにあるかということをじっくり考え直してみてもよいでしょう。
辞めたいという漠然とした不満も、じっくりと何がどうなっているので辞めたいのかということを分析していくうちに「辞めなくても解決できる方法があるかも」という気持ちになることがあります。

辞めたい理由としてよくある例が「慢性的な長時間労働」「サービス残業など違法な給与計算方法」「上司や先輩からのパワハラ・セクハラ」「社内の人間関係」といったようなものです。

まず「労働時間超過」や「サービス残業」などがある場合はすぐに退職をするのではなく、毎日の就労についてメモなどで記録をしておくようにしましょう。
単に退職をすると自己都合ですが、そうした違法な状況があれば会社都合など、退職後の待遇が異なってきます。
ただし、会社の慣習として当然に扱われていることもあるので、上司に相談をしてみてからの方がよいかもしれません。

問題が「社内の人間関係」の場合は、これは上司や人事に相談をすることで解決する可能性があります。
社内の悩み事は自分ひとりで抱え込むのではなく、同僚や先輩などに一旦話して、そこで解決の見込みがあるかどうか判断してみてください。